【モズ】在宅 鳥図鑑

スズメ目モズ科 撮影月:1,2,3,7,9,10,11,12

 「モ~ズが枯れ木で鳴いている~」という歌がありますが、モズの枯れ枝にじっと留まっているイメージ、宮本武蔵の代表的な《枯木鳴鵙図》(こぼくめいげきず)のモズの姿を思い描く方も多いかもしれません。
 モズは枝にかなり長時間、じっと止まっています。ですから、私のような素人カメラマンでもそこそこの写真を撮ることができます。枯れ枝にばかりいるわけではありませんが、こちらも姿を見つけやすいので、やはり枯れ枝での写真が多くなってしまいます。幼鳥も見かけることもあるので、留鳥としているのだと思います。
 眼過線が黒い(オス)、嘴の先が釣り針の先のようにしゃくっている等、ちょっと怖いイメージがあります。昆虫、カエル、ネズミを捕食し、またこれらを木の枝に刺して「もずのはやにえ」をつくることでも知られています。

 奈良時代からモズの名で知られています。

  秋の野の 尾花が末(うれ)に 鳴くもずの 声聞きけむか 片待つ我妹(わぎも) 
  春されば もずの草ぐき 見えずとも 吾は見やらむ、君が辺(あたり)をば  2首とも万葉集より 

 2首目には「もずのくさぐき」が詠まれています。春になってモズが繫みに入って姿が見えなくなることを、「もずのくさぐき」と言い、「見えず」の序になっています。

  かきねには もずのはやにへ たててけり しでのたおさに しのびかねつつ  夫木和歌抄(鎌倉時代)より
 
 モズが前世で「しでのたおさ」(ホトトギス)から沓(くつ)を買ったが、沓手(くつの代金)を払わなかったので、現生で催促を受け「はやにえ」を作っているという言い伝えにもとづくとのことです。(「鳥名の由来辞典」 菅原浩・柿澤亮三編著を参照)

 「もずのはやにえ」も一度は見てみたいと思っています。

(2025年7月06日記)


撮影年月101112
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