いよいよ、ミニゲーム大会。

さあ、8時30分。
朝露に濡れたちょっと深い芝に、白線が引かれ、準備万端だ。
子供たちが、準備を終えてグラウンドに出てくる。

それぞれのチームの監督のもと、キャプテンが取りまとめながら練習を始める。
ポジションは、子どもたちが話し合って決めているチームもあるし、監督のもとに集まって決めた後、練習を開始するチームもある。

1ゲーム、15分1本。
1チーム、フィールドはキーパーを含めて8人がルールだが、その年の参加人数により、多少増えることもある。
両チームの了解のもと、より多くの子供が参加できるようにする。

特別ルールもある。たとえば、今年は、2年生以下は、オフサイド無し、1ゴール5得点。女子もオフサイド無し、1ゴール3点。4年生は、1ゴール2点。
これらの条件を踏まえ、相手のメンバーを考え、その試合のポジションを決めていく。
相手チームに誰がいて、誰がどういうプレーをするかはほとんどわかっている。ただ、6年生は、4年生以下と一緒に練習する機会があまりないので、結構、4年生を見くびったりもする。
今年は、2日目の参加者が31名なので、1名足りない。これは、1つのチームに、「有志 母」という枠があり、1日目のお母さん参加の4年生とのゲームで、数名のセレクションが行われていたので、順番に参加いただくこととなっていた。

9時、いよいよゲームの始まりだ。MVP等の景品も用意されているので、6年生はもちろん、5年、4年もあわよくばと狙っている。
得意とするポジションでやれる場合と、やれない場合があり、チームの中でのせめぎあいもある。
守りを中心で、カウンターで攻めるチーム、攻撃中心でポジショニングするチーム。キーパーも大切だ。普段、キーパーをしているメンバーがいないチームもあり、キーマンの一人をもってくると、攻撃が薄くなってしまったりもする。
ワンプレィ、ワンプレィが真剣な、ぶつかり合いだ。公式戦でも、そう見ることのない姿に、周りの声援も熱を帯びる。低学年の方をひいきめに応援はするが、試合の進行状況により、ヒートアップしてくる。
4年生が、6年生をフェイントで抜くなどということもよくあることで、周りからは拍手喝采である。
「有志 母」は、ペナルティエリアの中で、ロングボールが来るのを待っている。ボールが飛んでくると、周りからはひときわ高い声援。でも、浮き球の処理をしている間に、6年生が素早く戻ってきて、ボールを奪い取っていってしまう。6年生には「空気を読めよ、・・・」と笑いながらの非難の声、でも6年生も必死だ。
15分があっという間の1点の攻防が、繰り返し行われる。各チーム、3ゲームだから、一人45分。汗と、悔しさと、笑顔の2時間。6試合があっという間だ。

スコアボードには、1試合終わるごとに結果が記入されていく。そして、1位、2位、3位、4位が決まり、表彰式だ。
MVP等の個人賞は、本部席の顧問、代表、監督の西FCの3人の重鎮が決め、各チームの監督に確認が入る。

いよいよ、表彰式。
チームごとに整列した中で、まず前日のキックスピードの表彰。各学年トップが表彰される。
続いて、チーム表彰。全員が前に出て、代表が賞状とトロフィーを。その後、メンバー全員に商品が・・・。
最後に、個人賞の表彰があって、記念撮影。
充実感と、達成感と、疲労を抱えながら、合宿の最大イベントは幕引きとなる。

年1度の合宿の中で、毎年いくつかのエピソードが生まれ、過ぎてしまえば楽しい思い出となっている。
それらのいくつかも、今後、お話しする機会もあると思うが、高崎西FCの合宿は「ミニゲーム大会」とだれもが思っていると思われるので、今回ご紹介させていただいた。