【ウグイス】在宅 鳥図鑑

スズメ目スズメ科 撮影月:3,4,6,11

 毎年、2月なかばになると、ウグイスのさえずりが家の斜め上の雑木林で聞こえ始めます。今年は、2月17日に、300メートルぐらい離れた向こうの林から。2月24日にすぐ近く、50メートルにも満たない斜め上の篠林の中から。まだ、つたないホーホケキョが聞こえてきました。それから、少しずつホーホケキョが上手になり、谷渡りも聞こえるようになります。鳴き声は、8月まで、朝から夕暮れまで絶え間なく聞こえてきます。

 ウグイスの姿を撮影するまでには、かなりの時間を要しました。ホーホケキョを追いかけながら、姿を見つけるまでが、一苦労。ほとんど、篠の中。篠が揺れて、先に泊まっていたウグイスを見つけて、カメラを構える間に、既にウグイスは別の場所に。時に、枝に姿を見てくれることがあり、カメラで追っかけながら、偶然にとれること、まれです。

 20代はじめ、2年ほど結核で療養所生活を送っていたことがあります。すでに、抗生物質もできており、死の病ではなくなった療養所の生活。そこでの療養生活の中で、患者は持て余した時間を様々なことで過ごしていました。
 そこには、竹かごに入ったウグイスがいて、鳴き声は、療養所の生活にいくらか明るさを与えていていました。私より15歳ぐらい上のFさんは、朝食、検温の後、その竹かごとトリモチをもって、近くの雑木に出かけ、15分ほどで戻ってきます。午後の安静時間が終わると、Fさんは、さらに空の竹かごをもって出かけます。ほどなくして、Fさんは両手に竹かごを抱えて帰ってきます。空だった竹かごにもウグイス。ウグイスの縄張りの中に、竹かごに入ったウグイスを置き、トリモチの仕掛けで、捕獲。一方の竹かごには縄張りのウグイスの姿です。
 当時も、法律で禁止されている行為ではあったとは思いますが、45年ほど前のこと、既に時効のお話かと思います。

 さて、8月以降はウグイスはどこかほかの場所に移ってしまったのかというと、そうではないらしい。何度か、撮影もできているし、チッチッという鳴き声も。ときには、季節外れのホーホケキョと鳴き声を聞くこともあり、ちょっとほほえましくもあります。

(2025年4月19日記)


撮影年月101112
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